2019年度
「省エネ建築の設備と環境」
社会人スキルアップコースプログラム
2020年度からの省エネルギー基準の義務化に対応して、建築の省エネルギー設計技術者の養成が急務となっている。さらに、「エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)」において,「建築物については,2020年までに新築公共建築物等,2030年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指す」とする政策目標が掲げられた。経済産業省・環境省・国土交通省では、公共建築及び一般建築におけるゼロエネルギービル(ZEB)の推進、住宅におけるゼロエネルギーハウス(ZEH)の推進を要請している。
今まで信州大学工学部はその個性・特色を生かしつつ、自治体等に協力し、建築設備・環境分野での省エネ設計技術を担う人材を創出してきた。今後もさらに建築分野における低炭素化の推進を目的に、建築設計事務所、総合建設施工会社及びエネルギー関連企業が新たな設計手法を習得できるように支援をして行く予定である。
2016年度には、「省エネテラス」を開催し、省エネ建築に関心のある技術者に新設計技術の普及を行ってきたが、信州大学が長期的に技術者の養成に主体的にかかわって欲しいという社会的要請を多数受け、2017年度より「信州省エネ建築の設備と環境」社会人再教育プログラム(1年間)を創設する運びとなった。本プログラムは、省エネ建築設計法・設備設計法・環境設計法および評価法に携わる技術者の新技術習得を目指すものである。
2017年度から2年間この事業を行い、所定の成果が得られたことから、2019年度も継続して実施する。特に今回から実務に活かすために、3省庁の省エネに関する補助事業の詳細について担当官から講義をしてもらう予定。また遠隔者に対しては、当大学から発信するネット教育(ハングアウト)を通して実修教育を行っていく。
現在省エネ建築の設計では、建築躯体における外皮性能と効率化設備のレイアウトを同時に検討する必要がある。独立研究法人建築研究所のWEBプログラムを用いてPAL*を算出し、その性能値を検証する。そのうえで、効率化設備のレイアウトを計画し、消費エネルギーを算出する。モデルとする建築の設計データは受講生自身で用意しても良いが、講師が提供する。
開講は火曜日(6月12日~7月31日は水曜日)6コマ目(18:00~19:30)とする。
※プログラムは変更となる場合がある
事業開始 | 2019年4月23日 |
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受講者 | 若干名募集 |
受講料 | 8万円(テキスト別) |
プログラムの学習量 | 履修期間:6箇月/総数:30時間 |
本プログラムを修了した社会人技術者は、現場における問題点を解決するために必要な基礎知識を習得し、その手法を自ら考案し、さらに難しい問題については本プログラムを通じて構築した人的ネットワークを駆使できる能力を持つ。また、技術的要素に加えて、省エネルギー・環境に関する経営ノウハウや社会基盤に関する知識も習得する。これにより、企業においては独自の開発力が強化され、受講生は自ら設計・管理できる知力・実行力をつけることができる。
カリキュラムの構成・内容 (*印は昼間の時間で実施する)
回 | 開講日 | 担当 | 内容 |
第1回目 | 4月23日 | 浅野 | 省エネ建築設計の学び方を説明する。テキスト及びDVDの使い方を説明する。その後1800㎡の事務所をサンプルとしてZEB化の演習を行う。最初はPAL*の算定を行う。建物概要と平面計画を把握する。入力シートを作成する。建築研究所のwebソフトで計算する。 |
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*第2回目 | 5月7日 | 行政 | 講義「行政」環境省、資源エネルギー庁を予定 |
第3回目 | 5月14日 | 浅野 | 各部屋の空調、換気、照明設備のレイアウトを検討する。機器入力シートを作成する。 |
第4回目 | 5月21日 | 浅野 | エレベーター、効率化設備(ガスコージェネ、太陽光発電パネル)を検討し、入力シートを作成する。 |
第5回目 | 5月28日 | 浅野 | 入力シート内容でZEB化が達成されたか検討し、不十分ならPAL*から見直す。 |
*第6回目 | 6月4日 | 行政 | 講義「行政」国交省を予定 |
第7回目 | 6月12日 | 浅野 | 10000㎡の事務所をサンプルとしてZEBreadyないしはZEBOrientedを目指した演習を行う。最初はPAL*の算定を行う。建物概要と平面計画を把握する。入力シートを作成する。 |
第8回目 | 6月19日 | 浅野 | PAL*の算定を行う。建物概要と平面計画を把握する。入力シートを作成する。 |
第9回目 | 6月26日 | 浅野 | 各部屋の空調、換気、照明設備のレイアウトを検討する。機器入力シートを作成する(1)。 |
第10回目 | 7月3日 | 浅野 | 各部屋の空調、換気、照明設備のレイアウトを検討する。機器入力シートを作成する(2)。 |
第11回目 | 7月10日 | 李・浅野 | 講義「省エネ建築とウェルネス」 45分 各部屋の空調、換気、照明設備のレイアウトを検討する。機器入力シートを作成する(3)。45分 |
第12回目 | 7月17日 | 浅野 | 各部屋の空調、換気、照明設備のレイアウトを検討する。機器入力シートを作成する(4)。 |
第13回目 | 7月24日 | 浅野 | エレベーター、効率化設備(ガスコージェネ、太陽光発電パネル)を検討し、入力シートを作成する。 |
第14回目 | 7月31日 | 浅野 | 入力シート内容でZEBreadyないしはZEBOrientedが達成されたか検討し、不十分ならPAL*から見直す(1)。 |
第15回目 | 8月6日 | 浅野 | 入力シート内容でZEBreadyないしはZEBOrientedが達成されたか検討し、不十分ならPAL*から見直す(2)。 |
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